戦国八咫烏

少年サンデー連載の作品「戦国八咫烏」。
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の三英傑や、戦国の英雄・上杉謙信、武田信玄などに比べると、一見、主人公が地方豪族の雑賀孫一で成り立つのかと心配していたが、これが完璧に成り立っている。
というより、戦国の世界観自体を少し変えることと、新しいエレメントを加えることにより、時代背景や人物をあまり変えることなく成り立たせているのである。
当作品の興味深い個所は、史実では、敵対関係にあった信長と孫一を、天下統一の同志として展開させているところである。
そこに、若き日の秀吉(藤吉郎)、まだ信長配下になっていない明智光秀、戦国最強と恐れられた越後・上杉(長尾)勢、戦国最上の参謀・竹中半兵衛などを投下。
さらにエレメントとして宣教師ルイス・フロイスを筆頭とする南蛮軍との確執を加えることで、信長と孫一が誰と闘っているのかを鮮明にしている。
ここで大事なのが、本当の時代背景だ。
通常、架空の事柄を大事にし過ぎて、史実とあまりにも乖離する内容に描きすぎ、自滅していくパターンが多いが、ここを上手く調整しているのが、足利将軍家と逆賊・松永久秀、そして、三好三人衆の登場だ。
彼らの登場により架空の物語に暴走しすぎだった物語の流れを、一旦堰き止められたような気がする。
実によくバランスをとれていて感心した。
また、普通では、表舞台に登場しない狙撃手・杉谷善住坊などを孫一のライバルとして争わせるあたにはセンスの良さを感じる。
今後の展開に期待したい。

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