シルフィード
オグリキャップやメジロマックィーン、トウカイテイオーなど、スターホースが立て続けに現れた90年代前半、漫画界でも超新星のスターホースが活躍した。白い稲妻・シルフィードだ。本島幸久氏が連載していた当時のJRAでは、日本式の馬歳計算方式を採用していたため、今より1歳馬歳が若くなるが、4歳クラシック戦線と国内グランプリ、そして世界レースへの挑戦を描いた物語だ。シルフィードは、生まれながらにして脚に持病を抱えており、産後すぐ抹殺処分を受ける寸前で、牧場主の子・森川駿に救われる。同年齢で華麗なる血統のライバル馬・マキシマムとは、既に生まれながらにしてハンデがある状態だったが、苦難を乗り越え4歳クラシック戦線を闘う。3歳GIでは3着、皐月賞では落馬失格と不甲斐なかったが、日本ダービーでは、マキシマムに鼻差まで詰め寄る激走。以前G1無冠のシルフィードだったが、花開くのは4歳後半。短距離血統のシルフィードに、菊花賞を走り抜く力量がないと揶揄されつつも新鋭・シャオツァンロンと、3冠馬マキシマムに競り勝ち、見事4歳クラシックの1冠をもぎ取る。この菊花賞の戦いは、あの1976年・菊花賞の名勝負で一躍檜舞台に躍り出た最強の末脚馬を思い出す。貴公子・テンポイントと、天馬・トウショウボーイ2強の間に、何食わぬ顔で末脚鋭く潜り込み、栄冠を勝ち取ったぐ遅咲きの名馬・グリーングラスだ。後のTTGの一角を担うグリーングラスとシルフィードの影が重なった瞬間だ。