ラ・セーヌの星

「ベルサイユのばら」が少女系のアニメ界を席巻していた頃、同じ時代背景をモチーフとした長編アニメーション作品があった。
「ラ・セーヌの星」だ。
時代は1789年の革命直前のフランス。
主人公・シモーヌは、シテ島で花屋を営む両親に育てられた美しい少女で、同時に花屋の看板娘。
ひょんな経緯から貴族と知り合い、剣術をたたき込まれることになるのだが、その後、王妃マリーアントワネットと貴族婦人の権力争いに巻き込まれ、両親が殺害される事態に陥る。
失意のあまり修道院に入ったシモーヌだが、幼馴染のミランが政治犯として護送されることを聞きつけ、黒いチューリップと共に闘うことを決意する。
変装し、白馬に乗った勇士が「ラ・セーヌの星」である。
と、このような出だしの流れは、マリーアントワネットを悪の枢軸として描く、通常のフランス革命のヒーロー物語と遜色ないが、このアニメが単なるヒーロー物語で終わらないのは後半である。
じつは、シモーヌとマリーアントワネット王妃は異母姉妹だというところから物語が急展開する。
しかも贅沢三昧の生活をし、国民を虐げていたと思われた王妃像は虚像で、周囲の貴族たちによって作り上げられ、利用されていたというのだ。
この事実には、国民の側に立ってヒーロー気分だったシモーヌも動揺を隠せない。
お姉さんでもあるし、助け出したいとも思うのだが、国民の怒りは頂点に達しており、史実通り王妃は断頭台へ。
利用されていたにもかかわらず、それを言い逃れせず、最後まで誇りを捨てないで断頭台に立つマリーアントワネットの姿は印象深い。
フランス革命の違った見方が出来る作品である。

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