日本昔ばなし
“坊や~良い子だねんねしな~”で始まるオープニングミュージック。一度聴いたら忘れないフレーズが耳に残るアニメ「まんが日本昔話」。日本に古来より伝承される言い伝えを、アニメ化したものだ。一筆書きできる丸い山々、青・緑・白で表現されるハッキリした背景、「~だそうな」という伝承的な語り口など、昔話っぽい独特のタッチの背景や登場人物に定評があったと思われる。覚えている話だけでも、「笠地蔵」「一寸法師」「カチカチ山」「花咲かじいさん」「おむすびころりん」「さるカニ合戦」「こぶとり爺さん」「桃太郎」「舌切雀」「雪女」「かぐや姫」「金太郎」「ぶんぶく茶釜」「ネズミ浄土」などなど。その中で注目したいのが、見返りを気にせず助けたボランティア精神で「恩返し」されたお話の数々だ。有名な「鶴の恩返し」を始め、恩返しの話は、キツネ、鹿、猿、蛙、鯛、馬、猫、ツバメ、シジミ、白キツネ・・・なんとも多くの動物が恩返しをしてくれている。ボランティア精神で無心で人と接していれば、巡り巡って自分にも跳ね返ってくるということを、この番組では訴え続けたかった趣旨が伝わってくる。反面、「雉も鳴かずば」のように、何もしない方が世の中上手く渡っていけるよという意味が込められた、無情の世の中を表す物語や、「わらしべ長者」や「たにし長者」のような楽して金持ちになる堕落の物語まで存在した。世の中は様々な思惑が渦巻いているが、恩に報いるに恩を持ってする話は伝承していきたいものである。