フランダースの犬

ベルギーの人々は、決して認めたくない世界名作のひとつ「フランダースの犬」。
認めたくない理由は、「ベルギー人に、そんな冷たい人間はいない」だからだそうだ。
確かにテレビで、アニメ特集が放映されると、必ずと言っていいほどピックアップされるのが、有名すぎるエンディングである。
おじいさんを失くしたばかりの絵画がすきな少年・ネロに、降りかかる災難。
ある雪の降るクリスマスの晩、無実の罪で住む家を追われ、愛犬・パトラッシュとアントワープにほど近い農村を彷徨うネロ。
領主である家主が間違いに気付づくも時すでに遅く、ネロはパトラッシュと共に大聖堂の中で力尽き、息をひきとった。
何とも悲しい結末であるが、当のネロ本人は、大好きなルーベンスの非公開絵画を死の直前に見れたことに満足したのか、笑みすら浮かべていたのが印象的である。
特にこのストーリーで、一番心に深く刻まれたのが「ルーベンス」である。
フランドル地方の巨匠ではあるが、もし、ルーベンスを大好きな人でも、アントワープ郊外まで観に出かけようとは思わないはず。
ただ、ネロ少年が観たルーベンス絵画「キリスト降架」や「聖母飛昇天」を観たいというファンが続出し、ツアーにまで発展している模様。
いわゆる聖地巡礼ツアーですね。
架空の童話ではあるものの、ネロ少年とパトラッシュの悲劇功績の賜です。
ただ、アメリカなどでは、動物保護団体から死なせてはいけないとお咎めがあったようで、ラストはお父さんと名乗る人物が現れて引き取られたとか。
何はともあれ、あらためてアニメの威力の凄さを実感します。

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