エリア88
同期のパイロット候補生の策略により、激しい内戦の続く遠く中東のアスラン王国の傭兵部隊に送り込まれる物語といったら「エリア88」である。突然戦地に送り込まれた主人公の風間真は、作戦地区名エリア88で戦闘機乗りとして雇われる。除隊するには高額の違約金を払うか、契約満了まで生き延びるかのみ。まさに究極の選択だ。契約終了日までの残された日数を指折り数えるのではなく、カレンダーに「×印」をつけ、日付を削っていくあたりは、何ともリアルな心理描写だ。風間真は、「×印」をつけるときに何を思ってつけたのだろう。「早く契約終了日が来ないかな」か、または、「今日も生き延びた」か。いずれにしろ日々生きた心地はしなかっただろう。今朝まで一緒に飯を喰っていた友人が、夕方にはいない戦場だ。明日のこの時間に、カレンダーに「×印」をつけていられるのだろうか。きっとそんな心境だっただろう。また、獲得した報奨金で、新型の武器を購入出来るあたりは、ゲームの「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」を思い起こす。ただ、「エリア88」が連載されたのは1979年だ。ということは、ゲームの方が当漫画を真似た感さえ漂う。そんな革新的で新しいジャンルを開拓した漫画とも言えるだろう。ちなみに同期のパイロット候補生(神崎)が、なぜ風間を戦地に送り込んだかというと、同社の社長令嬢と婚約が決まり、さらに出世街道を走っていたという単なる嫉妬だ。嫉妬で戦地に送り込まれては、本当にたまったものではない。